世間的に、ラクをすることは悪いことだとされています。そして、ラクしてお金を稼ぐのはもっと悪いことだ、とそういう空気があるわけですね。でも、ラクするのは本当にいけないことなのでしょうか。もちろん、一所懸命にやることは否定しません。むしろ必要なことだと考えます。この場合、どうラクをするかが問題なのですね。
「ラクする」には2パターンあると考えましょう。「改善」の為のラクと「逃避」の為のラクです。
例えば、業務を自動化させるシステムを作るとします。システムを作る時は大変ですが、あとでラクができる。これが「改善の為のラク」です。自動化とまではいかなくとも、こういうマインドで仕事をする人は、同じ時間でより多くの業務ができるように成長していきます。自分のキャパシティがどんどん広がっていくわけです。そして、結果的にラクができる。常に自分の仕事に目を向けて、改善していく姿勢は自らも楽しくさせるし、成果も上げられます。
自動化以外にも、業務のテンプレート化を進めて時間を短縮したり、スキルを上げたり、無駄な業務を簡略化したり、似た業務を一気にやってしまったり、仕事に優先順位をつけたり、業務をリスト化して時間配分を見直したり、早い段階で他人に仕事をふったりと、方法はまさに無限です。方法を知っているかどうかよりも、効率化を進めようとする意識が大切です。
一方、キャパシティが大きくならない傾向のある人は、「逃避の為のラク」を選んでいるケースが大半です。どの会社にも、目の前にある業務に追われて、忙しそうにしている人がいますよね。忙しそうにしているからあの人は頑張っているんだ、と思う人がいるかもしれませんが、それは明確に誤りであると言っておきましょう。むしろ、怠慢といえます。何も考えずに仕事をしていることの代償です。
「逃避の為のラク」を選びがちな人は、仕事量が増えた時にどうするかというと、同じ時間で終わらそうとするのではなく、仕事が増えたから減らそう、という方向に動きます。だから、どうしても削減できない業務があった場合は、残業など時間を増やして対応するしかありません。ここに生産性の向上というポジティブな動きはありません。逃避は一時的な「ラク」をもたらしますが、代償は必ずどこかで精算しなければいけない。結局、逃げられないのです。
「ラク」と「楽しい」は同じ漢字が使われているわけですが、「ラクだから楽しい」ではなく、「困難を克服した快適で楽しい状態」を指しています。今まで出来なかったことが出来れば、次はもっとラクにできるわけです。そして、成果が出始めれば楽しい。その成功体験がさらなる自信と成功を呼ぶ。そういうポジティブな意味を多分に含んでいると考えたほうがいいでしょう。
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