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ルールの構造と弊害

マックス・ウェーバーは「官僚制」という著書の中で、資本主義的なヒエラルキーを持つ民間企業はより官僚的になると話しています。19世紀に民間企業の本質が喝破されていたことに驚くとともに、経営者である私にも身につまされる話です。

官僚的=法やルールにのみ則った行動

企業の規模が大きくなるほど、ルールやマニュアルがクリエイティビティの上位に位置するようになる。社長、部長、課長、係長、平社員といったように権限が細かく分散化されたヒエラルキーが、ルールをより強化する。一人ひとりが思考する幅や機会は失われ、細部まで浸透かつ厳格なルールがなければ組織が成り立たなくなる。

ルール・マニュアル任せで組織を運営すると、個の力が弱まるわけです。

多くの人はそれに気づいていて、特に将来が不安という大企業のサラリーマンは、その点を危惧されてる場合が多いですよね。

でも、ルールって経営陣が作るものではないんですよ。けっして。もちろん多少は作りますよ。でも、それは全体のごく一部に過ぎません。

ルールの大半は経営陣など組織のトップ層ではなく、自然発生的に作られていきます。具体的に言えば、権限の少ない層の人達が互いの合意の元で作っています。

サラリーマンには次の傾向がある。

  1. 自由への不慣れ。
  2. リスクへのおそれ。
  3. 枠への囚われ。

私たちには幼少期より「ルール=善」の価値観が根深く摺り込まれています。ただ、これはどこかでぶっ壊していくべき価値観なのですが、その時期がないと内心「ルールは嫌い」と思っていても、複数名で何かをするにはルールがないとできないのです。

もちろん、ルールは最低限必要なことも当然あるし、各々が勝手な方向に進めば成り立たなくなる。

ただ、過剰なルール構築は自分で自分の首を絞めます。たとえば、起こったミスやこれから起こりうるリスクをシステムだけのせいにすると、ルールは無限増殖のループに入り、誰かが壊さない限りはもう逃れることはできない。

誰かがミスをした→次はミスが起きないようにルールを追加→またミスが起きた→ルール追加→またミスが起きた→ルール→ミス・・・

無限増殖段階に入ると、ルールを守るだけでも大変になる。トリプルチェックやら上長全員のスタンプラリーやら管理ソフトの改修やらで、1つの業務負担量もマンパワー限界まで上がっていくことになる。そして、ルール遵守は「目的」となり、本来の動機が「手段」に後退しているはずです。

個が成長していくには、「人」に原因を求めていかないといけない。原点が大事です。

本来、優秀なクリエイターだけのチームなら明確なルールなどなくても回るわけですから。

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